- うつ病あるあるの体験談が読みたい
- 家族や友人に読んでほしい一冊が欲しい
- メンタルヘルスのインフルエンサーの錦山まるさんが気になる
「マンガでわかるうつ病のリアル」の書籍レビュー
書籍の情報
- タイトル:マンガでわかるうつ病のリアル
- 著者:錦山まる
- 形式:漫画(カラー)、文章
- 出版日:2020年7月2日
- 出版社: KADOKAWA
- ページ数:160ページ
- 読了目安時間:2時間
あらすじ
日本のうつ病患者が500万人超といわれる現代。
うつ病の実態と「うつ病に関する間違った知識」をわかりやすく伝えるコミックエッセイとしてダ・ヴィンチニュース/ウォーカープラス/レタスクラブニュースで人気を博す連載「マンガでわかるうつ病のリアル」を書籍化。
フルカラーの描き下ろし漫画を大ボリュームで追加!
出典:KADOKAWA マンガでわかるうつ病のリアル
読んでみた感想・書評
うつ病の新刊本を常にチェックしている私ですが、ずっと気になっていた一冊です。
表紙に描かれている可愛らしい女の子にインパクトがあり「マンガでわかる」というのは読まずにはいられませんでした。
著者はメンタルヘルスのインフルエンサーでもある、錦山まるさん。
漫画家として活動していて、うつ病の体験談を導入部を漫画で描き、それを補完する形で文章で補足説明していきます。
割合でいうと、漫画4割:文章6割でしょうか。
漫画だけで全てが完結するわけではないので、文章をある程度読めるエネルギーは必要です。
そして、ページを開いてびっくりしたのが、
「漫画がフルカラー!!」
これには感動しました。
タイトルにもある「うつ病のリアル」。
これは、著者の体験談(リアル)であり、世間で誤解されている現実(リアル)でもあります。
また、インフルエンサーであるため、色んな人からのリアルな情報(SNSに届いた声)も掲載されています。
主人公は青髪のかわいらしい「夢」、友人は黒髪の「璃杏」、ペットにお猿さんの「まる」が登場します。
それぞれの登場人物の役割が明確になっていて、あっという間に読み切ってしまいました。
- 夢はうつ病の当事者
- 璃杏はうつ病に全く知識がない友人
- まるはうつ病に詳しいお猿さん
ペットのお猿さんの名前が「まる」なので、著者の錦山まるさんが伝えたいことを、このキャラクターに投影したのかなと推測しています。
うつ病当事者でなら理解できる「うつ病あるある」が書かれていて共感できることばかりです。
そして、うつ病への知識がない人に読んでもらうための一冊になっています。
共感ポイント
本書の「はじめに」にありますが、まだまだ偏見の多いうつ病。
外見からは見えないからこそ誤解が多く、病状を説明するのすらつらい病気。
「うつ病のつらさを、このページを読んでほしい」と、30個の章に分けられており、うつ病の理解の手助けになればというコンセプトで作られたところに共感ポイント!
うつ病に関する誤った知識やうつ病の誤解、また実体験による困ったことなどが具体的に書かれているため、情報が氾濫する現代で、何が正しいのかを見極めるのが難しい時代です。
私も情報発信している身なので、情報の根拠元は常に調べて最新化していますが、誤った情報発信や悪気のない善意に対して、ペットのまるが喝!を入れてくれます。
最後の締めくくりに、うつ病治療の「ゴール」とは何かを問いかけています。
一般的には寛解とされていますが「ゴールは人それぞれ違う、だって価値観が違うんだからバラバラで当たり前」という部分に共感ポイント!
そしてラストに著者からのメッセージ
この一言には共感を超えて、胸にぐっとこみ上げるものがありました。
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