- 認知行動療法のマンガシリーズが好き
- 患者視点ではなく医療従事者視点で読んでみたい
- 最新の情報やITツールなどにも興味がある
「マンガでわかる認知行動療法」の書籍レビュー
書籍の情報
- タイトル:マンガでわかる認知行動療法
- 著者:大野 裕
- マンガ:さのかける・サイドランチ
- 形式:漫画、文章
- 出版日:2019年9月25日
- 出版社: 池田書店
- ページ数:224ページ
- 読了目安時間:3~4時間
あらすじ
「うつ・不安」こころ支援のいちばんやさしい入門書
・ストレスを受けても、極端な判断をせず、適度な判断ができるスキル
認知行動療法をわかりやすく解説
不安はシャボン玉!? 心のしくみを解説
・看護師、保健師、介護士、カウンセラー、教師など、支援者が必要な技術や知識を解説
・「認知再構成法」「行動活性化」「問題解決技法」など具体的な方法を解説出典:池田書店 マンガでわかる認知行動療法
読んでみた感想・書評
「マンガでわかるシリーズ」はいろんな本が出版されてますね。
そして、この認知行動療法のマンガシリーズも数十冊はあるでしょう。
私がこの本を手にとった理由は、著者が大野裕氏であること。
大野氏は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター の元所長(現在は顧問)、
一般社団法人 認知行動療法研修開発センター の理事長です。
簡単にいえば、認知療法の分野の権威(専門家)です。
過去30年にわたり、認知療法の本を書き続けて、そのマンガシリーズの最新版となれば読まずにはいられません。
感想ですが、今まで読んだマンガでわかる認知行動療法シリーズのなかで、一番専門性が高いです。
マンガで導入部を描き、文章や図解で詳細を補うのは同じ展開ですが、文章が多めで難しい言葉も多いので、他のマンガシリーズより得るものが多い分、文章が読むのがツラい人にはしんどいかもしれません。
また、よくある悩みを持つ主人公が成長していくストーリーではなく、悩んでいる人を支援する側(本書では3名の保健師)が3人の患者と向き合っていくストーリーなので、患者視点ではなく支える側視点です。
あらすじにもある「認知再構成法」「行動活性化」「問題解決技法」について、具体的な例を挙げて説明してくれているので、より専門性の高い、そして最新の認知行動療法を学びたい人には向いていると思います。
共感ポイント
さきほど、支える側視点と書きましたが、もちろん患者が認知行動療法を学ぶための一冊としても内容は濃いです。
あなたが急性期(一番しんどい時期)で文字を読むのがしんどいなら、文字が少ないマンガ中心の本をオススメします。
ある程度回復してきて、文章が読めるのであれば、3人のうつ患者がどのように変化していくのかをマンガで知れるのでオススメします。
「おわりに」に大野氏が触れていますが、認知行動療法が浸透している現在で希望者に対して、十分に提供できていないことを問題視しています。
そのために、インターネットの活用で非対面方式の併用を推進しています。
また、最新のネットツールの紹介もされており、ネットを使った勉強方法やAI(人工知能)にも触れています。
30年前とは時代が変わった中で、最新の技術や社会変化に適応して情報を発信する姿には、まさに共感を超えて尊敬します。
支える側の人であれば、医療従事者だけでなく、家族にも読んでほしいです。
また、すでに認知行動療法の基本を身に付けているのであれば、さらにステップアップとして読んでみてはいかがでしょうか。
お気軽に感想をどうぞ