「うつ病だけど、ヘルプマークをもらってもいいのかな?」
「役所に行かないともらえないの? 郵送は?」
「周りの目が気になって、付けるのが怖い…」
外見からは分からないつらさを抱えているとき、言葉にしなくても周囲に「配慮が必要」と伝えてくれる「ヘルプマーク」。
街で見かけることも増えましたが、「自分が持っていいのか分からない」「どこで手に入るの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。


この記事では、ヘルプマークの入手方法(場所・郵送)や対象者といった基本情報はもちろん、当事者だからこそ感じる「周りの目が怖い」という悩みや、それを解消するための工夫についても正直にお話しします。
「もらえない」と諦める前に。あなたを守るための選択肢として、ぜひ参考にしてください。
ヘルプマークとは?誰がもらえるの?(対象者)

ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方が、周囲に知らせるためのマークです。
【重要】対象者に明確な基準はありません
一番大切なことを最初にお伝えします。
ヘルプマークを受け取るのに、障害者手帳や医師の診断書は原則として必要ありません。
身体的な障害だけでなく、うつ病やパニック障害などの精神疾患(メンタルヘルス不調)で、日常生活に配慮が必要な場合も対象とされています。
自治体の窓口でも、基本的には「自己申告」で受け取ることができます。
HSP(繊細さん)はヘルプマークを持ってもいい?
「HSP(Highly Sensitive Person)」は病気ではなく気質ですが、人混みや音に敏感で、電車内で体調を崩しやすい方もいます。
基準は「病名」ではなく「社会生活で配慮を必要としているか」です。
もしあなたが、公共交通機関での移動に強い不安を感じているなら、ヘルプマークを持つことは自分を守る有効な手段になります。
【地域別】ヘルプマークはどこでもらえる?
ヘルプマークは、お住まいの自治体の役所などで無料で配布されています。
主な配布場所
- 市役所・区役所: 障害福祉課などの窓口
- 保健所・保健センター
- 一部の駅: 都営地下鉄の各駅(駅務室)など ※地域によります
具体的な配布場所は、東京都福祉保健局がまとめている全国一覧リストから探すのが一番確実です。
郵送でもらえる自治体はある?

自治体によって対応は異なりますが、体調等の事情を相談すると、郵送で対応してもらえる場合があります。
公式には「窓口配布のみ」としていても、電話で事情を相談し、返信用封筒を送ることで対応してもらえるケースがあります。
まずは諦めずに、一度お住まいの自治体の障害福祉課へ電話で相談してみることをおすすめします。
在庫がない場合や配布していない地域の場合
万が一、在庫切れや配布場所が遠すぎる場合は、ご自身で作成することも認められています。その際は、東京都が公開しているガイドラインに従って作成してください。
また、マーク(タグ)だけでなく、紙製の「ヘルプカード」を配布している自治体も多いので、こちらも合わせて確認してみましょう。
ヘルプマークのもらい方・申請に必要なもの
受け取りの手続きは、想像以上にシンプルです。
申請書への記入は?手帳は?
多くの自治体では、窓口で「ヘルプマークをください」と伝えるだけで受け取れます。
- 費用: 無料
- 申請書: 不要な場合が多い(簡単なアンケート程度の記入がある場合も)
- 持ち物: 原則不要(本人確認書類や手帳の提示も求められないことが一般的)
家族が代理で受け取ることも可能
本人が外出困難な場合は、ご家族や支援者の方が代理で受け取ることも可能です。
この場合も、特別な委任状などは不要なケースがほとんどです。
ヘルプマークの使い方と「周りの目」への不安
入手したら、基本的にはカバンなどの周囲から見えやすい位置に付けます。
裏面のシールを活用しよう
ヘルプマークには、記入用のシールが付属しています。
ここには以下のような情報を書いて、裏面に貼ることができます。
- 氏名(※万が一のためにフルネーム推奨、不安な場合はイニシャルや名字のみでも構いません)
- 緊急連絡先
- かかりつけの病院
- 手助けしてほしい具体的な内容(例:「パニック発作時は、静かな場所で休ませてください」「話しかけられても反応できないことがあります」など)
災害時や、外出先で倒れてしまった時、このメモがあなたの代わりに事情を説明してくれます。
【体験談】持っているけど、付けられない私

理由は2つあります。
- 外出先で倒れるほどの大きな発作が起きることがないから。
- 「周りからどう見られるだろう?」という不安が拭えないから。
「あの人、見た目は元気そうなのに…」「席を譲れってこと?」そんなふうに思われたらどうしよう、と怖くなってしまうのです。
これは、私だけでなく多くの当事者が抱えている葛藤だと思います。
でも、「持っている」という事実だけで、お守りになります。
私はカバンの内ポケットにヘルプマークを入れています。
「いざとなったら、これを見せればいい」と思えるだけで、外出の緊張感が少し和らぐんです。
無理に外に見せる必要はありません。
まずは「自分を守るためのお守り」として持っておくのも、立派な活用法だと私は思います。
カバーで保護して「ファッション」として楽しむ
「むき出しで付けるのは抵抗がある」「すぐに傷んでしまう」という方には、専用のパスケースに入れたり、可愛いカバーを付けたりするのもおすすめです。
最近では、サンリオなどのキャラクターがついた「チェキ用ホルダー」を代用して、ファッションの一部として楽しんでいる方も増えています。
参考として、実際によく使われているホルダーを紹介します。
「助けたい」意思表示をするマークたち
ヘルプマークは「助けてほしい」人のためのマークですが、逆に「困っている人がいたら助けますよ」という意思表示をするマークも存在します。
サポートマーク(日本サポートマーク普及協会)
「困っている人を助けたい」という想いを持つ人のために、NPO法人 日本サポートマーク普及協会が発行しているのが「サポートマーク」です。
ブルーのデザインが特徴で、現在も缶バッジやキーホルダーなどのグッズが入手可能です。
こうしたマークを付けている人が増えることは、当事者にとっても大きな安心感につながります。
話題になった「逆ヘルプマーク」とは
過去にSNSなどで話題になった「逆ヘルプマーク」と呼ばれるものもあります。
(※一般に『逆ヘルプマーク』と呼ばれることがありますが、これは公式名称ではありません。)
これは静岡県の小学生が考案した「緑色のヘルプマーク」などが有名ですが、これらは公式に制度化されたものではなく、あくまで「通称」です。

※話題になった「逆ヘルプマーク」のイメージ図
他にも、「アウェアネス・リボン」や「青いブレスレット運動」など、社会には様々な支援と連帯のシンボルがあります。
まとめ:ヘルプマークは、あなたを守る「お守り」です
ヘルプマークは、まだ社会に完全に浸透しているとは言えません。
「席を譲ってもらえなかった」「心無い言葉をかけられた」という悲しい話も、残念ながらゼロではありません。
それでも、「いざという時に、自分の状態を伝えてくれる手段」を持っておくことは、あなたの心の安心感につながります。
- まずはお住まいの自治体の配布場所をチェックしてみる
- もらいに行くのが難しければ、電話で郵送の相談をしてみる
- 手に入れたら、まずはカバンの中に「お守り」として入れておく
使うか使わないかは、その時のあなたの体調や気持ち次第で決めていいんです。
まずは一つ、自分を守るための選択肢を手元に置いてみませんか?
※「ヘルプマーク」は東京都の登録商標です。






お気軽に感想をどうぞ
娘も同じなので実は先日フェイスブックでこういった記事を拡散しましたが、認知がまだ浅いのと自分ごとではないことで広まりが浅かった。
一般の人にもっと広める方法はないかな?って考えてた(^o^)
ナミさん、コメントありがとうございます!
電車の優先席にヘルプマークの張り紙あるけど、多分知っている人はまだまだ少ないみたいだね。
鉄道会社をはじめ、国も啓蒙運動してるから、あとは一般人に浸透していくのが早まるといいんだけどね。
FacebookやTwitterで地道な情報発信は大切だよね♪
こんにちは!ユートピアです。
またお邪魔しました。
ヘルプマーク初めて知りました。
今までずっと我慢してきましたが、股関節が痛くて長く立っていられない私もヘルプマーク使えるかしら?
教えてくれて、ありがとうございます!(*^-^*)
ユートピアさん、お久しぶりです。
また遊びに来てくれて嬉しいです♪
ヘルプマークご存じなかったんですね。やはり認知度がまだ低いみたいですね。
身体的に立っているのがつらい人はもちろん付けてもいいんですよ。
お近くの配布場所にぜひ問い合わせてみて下さいね(*^^*)