- うつ病の治療中である
- 治療法3本柱の薬物療法について知りたい
- なぜお薬が必要なのか疑問を持っている
- Q&Aや失敗談を知りたい
うつ病の治療法の3本柱「薬物療法」

うつ病の治療法の3本柱の薬物療法って、お薬を飲むことよね。

そうだね、病院の処方薬を飲むことだね。

でも精神薬ってなんか怖い…。
副作用とかあったり、一生飲み続けないといけないの?

そういう心配はとてもわかるよ。
でも、これは基本中の基本だからとても大切なことなんだ。
うつ病治療に薬物療法が大切な理由
うつ病は脳内の神経伝達物質が不足している状態です。
その物質を正常な状態に落ち着かせるにはおくすりは必須です。
もちろん、薬物療法以外の治療法も並行していきますが、基本はやはり、おくすりの力を借りることでしょう。
色んな種類のおくすりがありますが、簡単にいうと神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)を正しく働かせるようにする役割があります。
私は精神科医や薬剤師ではないので、おくすりの種類の説明や今までの私の服用薬は紹介していません。
ただ、ひとつ言えることは数多くの存在するおくすりの中で何が合うかは人それぞれです。
「これが絶対に効く!」というのはありません。
なので、主治医とよく相談をして、体調や症状に合わせて調整していくことが大切です。
私自身もいままでいろんなおくすりを飲み、その時の体調に合わせて調整してきました。
また、おくすりは日々新しいものが開発されています。
いわゆる新薬というものです。
新薬は今まで効かなかった人に効く可能性がありますが、副作用のデータも少ないので慎重に選択する必要があります。
薬物療法の疑問や不安など解説します
薬物療法って本当に効くの?
頭痛がしたら頭痛薬を飲み、数時間後に治るので効果がすぐに実感できます。
しかし、うつ病のおくすりの効果をすぐに実感できる人は少ないです。
効果が出るまで時間がかかるからです。
なので、最初は「本当に効いているの?」と思う人もいます。
でも、確実にそのおくすりの成分は身体の中に吸収されていますので焦らないことが大切です。
もし次の受診までに効果が感じられないようでしたら、主治医にそれを正直に伝えて下さい。
おくすりの調整や変更がされるかもしれません。
一番怖いのが「効いてないから必要ない」と、飲むのを自己判断でやめてしまうことです。
そうすると、効くものも効かないですし、主治医はそれが効果があったのか判断できません。
これはどのおくすりにも言えることですが、用法・用量は必ず守りましょう。
もし副作用が出たらどうすればいいの?
おくすりは言い換えれば毒にもなります。
頭痛薬の副作用に頭痛ってのもあるくらいですからね。
もし、うつ病のおくすりを飲んで、副作用(吐き気、眠気、頭痛、便秘、下痢、皮膚の異常など)が現れたら、すぐに主治医か薬剤師に電話で連絡して下さい。
副作用のレベルにもよりますが、飲み続けるのがいいのか、すぐに服用中止するかの判断をしてくれます。
私自身も今まで副作用が原因ですぐに服用中止したものもありました。
人によって副作用が全く出ない場合もありますし、出てもそれほど気にならないレベルの人もいます。
副作用はおくすりのリスクですので、どこまで許容できるかが難しいところです。
おくすりを飲んで車の運転をしてもいいの?
副作用のなかに、眠気や倦怠感というものがあります。
また、不眠を解消するためのおくすり(いわゆる睡眠薬)の効果が翌日に残る場合もあります。
おくすりの処方してもらう場合は、車の運転はしていいのかを主治医に確認しておいた方がいいです。
治療のために飲んでおくすりで車で事故に遭って怪我をしたら大変です。
仕事や生活のなかで、どうしても車の運転が必要な場合も主治医に伝えておきましょう。
妊娠中の場合はどうするの?
これは私の経験談では語れませんので調べました。
ただでさえ妊娠期は風邪薬だけでなく、ニコチン、カフェインなども避けるくらい注意をします。
なので、うつ病のおくすりは飲むのは危険なのではと心配になるでしょう。
ですので、もし妊娠がわかったらすぐに主治医に伝えて下さい。
減薬や断薬をする場合もありますし、漢方薬に変える場合もあるようです。
また、完全断薬することで妊婦の病状が悪化してしまうことの方が胎児に危険と判断されれば、慎重におくすりを選ぶこともあるようです。
一概にうつ病のおくすりは絶対に飲んではいけないともいえないようです。
妊活中の男性の場合は大丈夫なの?
では、男性の場合はどうでしょうか。
これは過去に同じ質問を主治医にしたことがあります。
その回答ですが「妊活中の男性がその目的のためにおくすりを減薬や断薬することはない」と言われました。
自分で調べてみたところ、確かに男性がおくすりを飲んで身体に吸収された成分が女性の体内に入る割合は少なく影響はほぼないようです。
むしろ「煙草の方がよっぽど影響あるよ」と言われました。
肝臓などの臓器に負担はないの?
うつ病のおくすりに限らず、どんなおくすり(例えば風邪薬)でも臓器への負担はあります。
ですので、定期的に臓器の状態を調べて負担が強いようであれば、おくすりの調整を主治医と相談しましょう。
臓器に限らず副作用はおくすりのリスクであることは否定できません。
しかし、うつ病を治すことが一番の目的ですから、定期的なチェックが大切になります。
悪夢を見るって本当?
一部のうつ病のおくすりの副作用として悪夢が認められているものがあります。
しかし、これはうつ病のおくすりに限ったことではありません。
他のおくすりでもありますし、お酒でもあります。
私もよく悪夢を見ますが「所詮、夢は夢」と割り切っています。
とはいえ、悪夢を見た朝は気分が落ち込みます。
もし、それが続いて日常生活に支障が出るようでしたら、おくすりを変更するのも一つの手です。
薬価が経済的負担!ジェネリックでもいいの?
ジェネリック(後発品)の利用が国から推奨されています。
先発品はおくすりの開発や試験に莫大なコストがかかっているのに対して、ジェネリックは特許が切れた先発品を同じ成分・含有量で作られたものです。
ですのでコストがかかってない分、安価ですし、国は医療費を削減したいために推奨しています。
個人的な意見ですが、私はジェネリックにしています。
それで私の経済的負担も減りますし、国の医療費削減にもなります。
また、効果は一緒だと思っています。
ただ、ジェネリックに抵抗がある人も少なくないので、どうしてもジェネリックは信用できないという人は先発品にすればよいだけです。
選択権は患者側にあります。
おくすり代を少しでも抑えたい人は「自立支援医療制度」を活用するのも手です。
おくすりを飲み忘れる場合は?
朝・昼・晩・就寝前さらには頓服まで合わせると、おくすりを飲み忘れることはよくあります。
そんな時はオススメなのが一包化(個別に包装してもらう)です。
何種類もあるおくすりを朝・昼・晩・就寝前など袋詰めしてくれます。
とても便利ですが、料金が加算される、薬局での待ち時間が増えるなどのデメリットもあります。
おくすりを飲み忘れ防止のためのアイデアを別記事にまとめてあります。
一生飲み続けないといけないの?
これは私も最初にすごい考えました。
結論から言うと人によってそれぞれです。
うつ病が寛解(症状がおだやかになること)しても、しばらくは飲み続ける必要があるので、寛解後しばらくして再発しなければ完全断薬できます。
なかには寛解してもお守り代わり(というと変ですが)に、飲み続ける人もいるようです。
長い目でみると長期間飲み続ける必要がありますが、死ぬまで一生ということはあまり悩む必要はないというのが私の考えです。
それよりもまず、いま目の前にあるうつ病を良くすることを考える方がよいです。
体験談から学ぶ薬物療法の注意点

ここではおくすりについての私の体験談から振り返る注意点を語ります。

振り返りは大切ですもんね。期待してます。
おくすりを飲み忘れることはしょっちゅう
今でこそピルケースで分類していますが、最初は朝・昼・晩・就寝前とおくすりをプチプチしていたのでけっこう飲み忘れが多かったです。
特に夜は食べ終わって、すぐに寝てしまうことがあったので、夜と就寝前の分だけ余るなんてこともよくありました。
一回だけならそれほど問題はありませんが、用法・用量ちゃんと守らないとだめですね…反省。
診察に行けずおくすりが足りない
当たり前ですが主治医は次回の診察分までしかおくすりを出してくれません。(まれに多めに出してくれる医者もいると聞きますが)
なので、診察日に体調崩して予定を変更すると、おくすりが足りなくなります。
以前、ある医者に言われたことがあったのですが、そういう事態も考えて数日分備蓄しておくのも大切と言われたことがあります。
ぎりぎりでおくすりを処方してもらっているとこういうケースが稀にあります。
特に病院が遠方にある場合や主治医の診察の曜日が限定されてる場合は注意しましょう。
もしどうしても体調不良で病院まで行けないようでしたら、家族に行ってもらって「お薬外来」という手があります。
診察は受けずに処方箋だけ貰うのです。
その場合は主治医でなくても診察を受けられます。
おくすりに依存した時期がありました
もう数年前の話ですが不安症状が強くて不安を抑えるおくすりを頓服で飲んでいました。
その時は不安になったら飲む → おさまらないので数時間後にまた飲むを繰り返して、そのうちその頓服薬がないと不安になるという悪循環に陥ったことがありました。
確かにお守り代わりになりますが精神的に依存するのは危険ですね。
今ではその状況から脱出できて良かったです。
ネットから学ぶ薬物療法の注意点
おくすりを売買したり、譲ったりすること
薬剤を他人に販売したり、他人から購入することは薬機法違反で犯罪です。
また譲渡することも同様です。違法サイトでそういう情報を見かけますが絶対にしてはいけません。
具体的なおくすりの種類を人に勧めること
これはうつ病の友達と話してるとよく聞く話です。
飲んでいるおくすりの種類を情報交換することですね。
これ自体はいいのですが、具体的なおくすりを安易に勧めたりするのは危険です。
自分に効いたからといって、他の人が効く保証はありません。
万が一、体調悪化した時の責任は取れませんよね。
情報として聞いおいて主治医に相談するのはいいですが、最終判断は主治医になります。
処方薬と市販薬を一緒に飲むこと
診察して処方薬を飲んでいるのに、効き目が足りないからといって同じ効果の市販薬を飲むのは危険です。
特に眠れないからといって、薬局で買える睡眠導入剤のおくすりなんか売ってますよね。
一緒に飲むとどんな副作用が出るかはわかりません。
うつ病の治療法3本柱(薬物療法編)をわかりやすく解説しますのまとめ

ここでは薬物療法の大切な理由と疑問や不安について解説しました。
時々、おくすりには頼らないという人もいますがうつ病は脳内の疾患ですので、おくすりは必要だと思います。
もちろん、生活習慣の見直しやカウンセリングも大切ですので、おくすりだけに頼らずにできることは並行しましょう。

おくすりは用法・用量をきちんと守ってね。
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