「うつ病で病院に行けない」ともう自分を責めないで。自宅から始める回復への3ステップ

「うつ病で病院に行けない」と悩む方に向けた記事のアイキャッチ画像。優しい緑色の背景に「動けない自分を責めていませんか?」という読者の心に寄り添うメッセージ。左上には、スマホから発信される温かい光が、自宅からオンライン診療などで社会と「つながれる」希望を象徴し、右下では案内役の男性キャラクターが笑顔で回復へのステップを示唆している。
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「病院に行かなきゃ…でも、どうしても体が動かない」
「薬がもうすぐなくなるのに、電話をかける気力すらない…」

布団の中で、何度も自分を責めていませんか?
玄関のドアが、途方もなく重く感じていませんか?

その気持ち、痛いほどわかります。
かつての私も、同じ絶望の中にいました。

でも、どうか安心してください。
病院に行けないのは、あなたの心が弱いからではありません。
それは、心が「もう限界だよ」と伝えているサインなのです。

この記事では、そんな八方ふさがりの状況から、自宅で、あなたのペースで始められる「次の一歩」を、私の体験談と共にご紹介します。
大丈夫、希望は、あなたのすぐそばにあります。

なぜ「病院に行けない」のか? その気持ちは、あなた一人じゃありません

無理に動こうとする前に、まずは「なぜ行けないのか」自分の気持ちを整理してみましょう。
私も当時は、様々な理由が重なって身動きが取れなくなっていました。

  • 布団から起き上がる気力すらない
  • 身支度や外出は、億劫というより「頑張ってもできない」
  • 人の目が怖い、電車に乗れない
  • 病院に電話をかけるのが怖い
  • 医師から何を言われるかわからないのが怖い

どんな理由であれ、自分を責める必要はありません。
まずは「今は行けないんだ」と、そんな自分を認めてあげることから始めましょう。

【図解】「病院に行けない」から始める、回復への3ステップ

動けないあなたのために、自宅で完結する3つのステップを考えました。
難しいことはありません。今のあなたにできそうなことから、一つずつ見ていきましょう。

病院に行けない時の3ステップ ステップ1「話してみる」、ステップ2「つながってみる」、ステップ3「支えてもらう」という3段階の回復へのステップを示すフロー図。 ステップ1: 話してみる (オンライン診療など) ステップ2: つながってみる (相談窓口) ステップ3: 支えてもらう (公的制度)

ステップ1:話してみる「オンライン診療・電話診療」という選択肢

「外出は無理でも、誰かに話を聞いてほしい…」
そんな時に頼りになるのが、スマホや電話を使った遠隔診療です。

【体験談】うつ病で病院に行けなかった私を救った「電話診療」

あれは2020年、コロナ禍の真っただ中のことでした。「オンライン診療」という言葉はありましたが、まだ今ほど浸透していませんでした。

当時、感染リスクを減らすための特例的な措置として、私の通う大学病院でも遠隔での診療が認められました。
ただ、病院に専用の設備がなかったため、「電話での診療なら対応できます」と言われたのです。

薬が尽きる日が近づく中、私を見かねた家族が病院に事情を話し、電話診療の予約を取り付けてくれました。
あくまで私の場合ですが、支払いは次回通院時でOKとのことでした。

予約の時間になり、病院の番号を押してから繋がるまでの時間は、今でも忘れられないほど緊張しました。
でも、不思議なことに、受話器の向こうから聞こえてくる主治医の声はいつもと同じで、私は素直に今の状況を話すことができました。

張り詰めていた緊張の糸が、ふっと切れました。
ただただ「よかった…」と、心の底から安心したのを覚えています。

診察後、病院が処方箋を私の自立支援医療の指定薬局(家の近く)にFAXしてくれました。
薬の準備ができると薬局から連絡があり、家族が代理で受け取りに行ってくれました。処方箋の原本は、後日病院から薬局へ郵送されるとのこと。

私は、家から一歩も出ずに、診察から薬の受け取りまでを完結できたのです。
コロナ禍が落ち着き、この特例措置は終了してしまいましたが、あの時の安堵感と、「こういう選択肢もあるんだ」という発見は、今でも私の支えになっています。

【モデルケースでわかる】オンライン診療の始め方

最近では、スマホのビデオ通話で診察が受けられる「オンライン診療」も普及しています。
初診から対応しているクリニックも増えましたので、一般的な流れをモデルケースでご紹介します。

<モデルケース:Aさん 30代女性・一人暮らし>

  1. クリニックを探す・予約する
    「精神科 オンライン診療 初診」などで検索。口コミや医師の専門分野を見て予約。
  2. 診察
    予約時間になったら、送られてきたURLにアクセスし、ビデオ通話で医師と対話(15〜20分程度)。
  3. 会計・薬の受け取り
    会計はクレジットカードで決済。薬や処方箋は、数日後に自宅のポストに届く。

【知っておきたいポイント】

  • 自立支援医療制度:利用できるクリニックが多いですが、事前に必ず確認しましょう。
  • 紹介状:初診の場合、紹介状がなくても受診できるクリニックがほとんどです。
  • 保険証:健康保険証のほか、マイナンバーカードを保険証として利用できるクリニックも増えています。

ステップ2:つながってみる「無料・匿名」の相談窓口

いきなり医師と話すのはハードルが高い、と感じるかもしれません。
そんな時は、まず「話す練習」から始めてみませんか?
無料で、名前を名乗らずに利用できる窓口があります。

  • よりそいホットライン(フリーダイヤル・無料)
    暮らしの困りごとから、つらい気持ちまで、どんなことでも相談できます。
    電話番号:0120-279-338(24時間対応)
  • こころの健康相談統一ダイヤル(ナビダイヤル・有料)
    お住まいの地域の公的な相談機関に繋がります。
    電話番号:0570-064-556(受付時間は都道府県により異なります)

答えを探す必要はありません。「つらい」と一言伝えるだけでも、心は少し軽くなります。
電話をかけるのが難しい場合は、厚生労働省のサイトで紹介されているSNSやチャットでの相談も検討してみてください。

ステップ3:支えてもらう お金の不安を軽くする公的制度

「治療費が払えないから病院に行けない…」
そんな時は、あなたの負担を軽くしてくれる公的制度があります。
こちらの記事で、お金に関する支援制度を網羅的に解説しています。

「病院に行けない」時によくある質問

ここでは「病院に行けない」時によく寄せられる質問をまとめました。

はい、オンライン診療はプライバシーに配慮されています。保険証を使っても、通常は会社に病名まで詳しく通知されることはありません。薬の郵送も、クリニック名がわからないように無地の封筒で送ってくれるなど、配慮してくれる場合があります。

はい、厚生労働省の指針に基づき、医師が対面診療と同等の質の診察が可能と判断すれば、健康保険が適用されます。

保険適用(3割負担)の場合、初診で3,000円~5,000円、再診で1,500円~2,500円程度が目安です。これに加えて、薬代や送料などが別途必要になります。

はい、オンライン診療に対応している多くの医療機関・薬局で利用可能です。ただし、事前に利用したい医療機関と薬局に、オンライン診療で自立支援医療が使えるかを必ず確認しましょう。

クリニックによって異なります。独自のアプリを使用する場合、LINEやZoomなどの汎用アプリを使用する場合、あるいは電話のみで対応する場合など様々です。予約時に必ず確認しましょう。

初診や症状が不安定な場合は、対面診療に比べて処方できる薬の種類や日数に制限がかかることがあります。症状が安定している場合は、継続的な処方が可能なことが多いですが、医師の判断によります。

オンライン診療では、血液検査や心理検査などを行うことはできません。そのため、定期的な検査が必要な場合は、対面診療とオンライン診療を組み合わせて治療計画を立てることが一般的です。

まとめ:今日の小さな一歩が、未来のあなたに繋がっている

「病院に行けない」と自分を責め続けていたあなたへ。

今日、この記事をここまで読んでくれたこと。
それが、あなたの回復に向けた、何よりも大切で、素晴らしい第一歩です。

今回ご紹介した3つのステップの中で、今のあなたにもできそうなことはありましたか?

遠隔診療のサイトを、ただ眺めてみる。
相談窓口の電話番号を、スマホに登録してみる。

どんなに小さなことでも構いません。
その一歩が、必ず未来のあなたへと繋がっています。

あなたが今日、少しでも「独りじゃない」と感じてくれていたら、嬉しいです。

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