- テレワークのメリット、デメリットを知りたい
- テレワークとうつ病の関係性を知りたい
- テレワークうつの予防方法を知りたい
「テレワーク」が定着しつつあるわね。
前々から言葉自体はあったけど、コロナ禍で一気に加速したよね。
評判は賛否両論あるけど、どうなのかしら。
そうだね。ここではテレワークとうつ病の関連性を考えてみよう。
まずは定義や背景からね。
予防対策だけ知りたい人は「もくじ」から飛んで下さいね。
テレワークとは何か?
テレワークの定義ってなに?
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語
リモートワークや在宅勤務とは何が違うの?
リモートワーク、在宅勤務との違い
リモートワーク(remotework)は、remote(遠隔)とwork(働く)の二つが合わさってできた造語で、意味はテレワークとほぼ同じです。
テレワークが1970年代から使われるようになったのに比べて、リモートワークという呼称は作られて歴史が浅いです。
また、在宅勤務は名前の通り自宅で働くことを指していて、場所が自宅である場合に呼びます。
一方、テレワークの場所は自宅に限定されていないので、移動中の電車内やレンタルオフィスなどの場所も含まれます。
テレワーク導入の背景や歴史は?
1970年代にアメリカで交通混雑緩和や環境問題(車通勤による排気ガス)などがきっかけで始まりました。
その後、他の国でも同様に取り組みが進み、日本では1984年にNECが最初に導入したと言われています。
ずいぶん歴史が長いのね。
テレワークが進んだ背景
テレワークの目的は、通勤にかかる社員の負担や企業のコスト負担、環境問題、勤務形態の多様化など様々です。
日本での導入企業も緩やかな増加傾向にあります。
総務省の調査によると、2012年に11.5%であったのが、2018年では19.1%まで増加しています。
そして、2020年に新型コロナの拡大感染防止のため、一気にテレワークの推進が加速しました。
東京都に限定すると、2020年4月には導入率は62.7%です。(参考元:日本テレワーク協会)
コロナ禍がきっかけで加速したのは納得だわ。
テレワークのメリットとデメリットは?
テレワークの背景や目的を見ると、企業や従業員に良いことばかりに思えますが、メリットとデメリットの両方があります。
テレワークのメリット
企業のメリット
- 離職率をおさえることができる
- 出産後の育児や介護、病気療養などの社員が離職せずに人材の確保が可能になる
- 非常時に事業を継続できる
- 新型コロナだけでなく、地震や台風などの災害時でも事業の継続が可能になる
- コストが削減できる
- オフィスの場所代や紙書類(購入や印刷、保管スペース)のコストが削減できる
- 離職率の低下で新規採用や教育にかかるコストが削減できる
- 通勤手当が削減できる
社員のメリット
- 出産後の育児や介護、怪我や病気療養(通勤困難者)でも働き続けることが可能になる
- 仕事と家事の両立(ワークライフバランス)ができる
- 通勤が不要になる
- 通勤ストレスがなくなる
- 通勤時間を仕事や家事、趣味に使うことができる
他にもいろんなメリットが考えられるけど、大きく分けるとこんな感じかな。
満員電車からの解放は嬉しいわ!
でもね、メリットばかりじゃないんだ…。
テレワークのデメリット
企業のデメリット
- 勤怠管理が難しい
- 働いた時間をどのように把握するか
- セキュリティ管理の問題
- 端末の紛失や画面のぞき見による情報漏洩リスク
- 公共Wi-Fiでの端末のウイルス感染リスク
- 対面コミュニケーションが少なくなる
- 社員同士のコミュニケーションが少なくなり情報共有がスムーズにできない
社員のデメリット
- 就業時間の自己管理が難しい
- 働く時間を自分でも管理する必要がある
- 長時間労働や昼夜逆転生活の懸念がある
- コミュニケーション不足
- 対面でのコミュニケーションが少なくなる
- 孤独感や不安を感じて、ストレス要因になり得る
- IT端末を使った業種、仕事に限定される
- 運動不足になりがちになる
デメリットも少なくないのね。
勤怠管理やセキュリティ管理はシステム導入で対応できるけど、コミュニケーション不足や運動不足、孤独感はテレワーク特有の問題と言えるね。
テレワークとうつ病の関係性は?
ここからは、私の考察となります。
今後もテレワークは継続されていく
テレワークにはメリットとデメリットの両方があります。
いま、テレワークをしている社員による、あるアンケート結果によると、コロナ禍が終わってもテレワークを続けたいという意見が過半数を超えています。
実際にテレワークを導入してみて、企業側も業績や削減コストの数字次第でテレワークを継続していくのではないかと推測します。
働き方改革関連法が2019年4月に施行されて、国は企業と社員の働き方の多様化、仕事と家事の両立(ワークライフバランス)を推進してきました。
その後押しにもなり、テレワークは加速していくでしょう。
うつ病などのメンタル疾患を抱える人への影響は?
テレワークのメリットに、病気療養による離職をおさえることができることがあります。
うつ病を抱えて働く人にとって、テレワークが働き方の1つになります。
特に勤務地までの通勤が負担になる人や自宅での個人勤務の方が作業に集中できる人にとってはテレワークは向いています。
テレワークうつ(テレワークが原因によるうつ病)が増える?
テレワークのデメリットに孤独感や不安、運動不足があります。
いまメンタル疾患を抱えていない人が職場環境や人間関係の変化、運動不足が原因でうつ病(テレワークうつ)の発症が増えるという懸念があります。
また寛解した人が再発する心配もあります。
テレワークうつの対策は企業と社員の今後の課題になります。
テレワークうつの予防対策5選
テレワークうつになる原因は大きく5つあります。
- 環境変化によるストレス
- 仕事とプライベートの境界線がない
- コミュニケーションが難しい
- 生活リズムが崩れやすい
- 運動不足になりやすい
これらの原因を深堀りして、その予防対策を説明します。
環境変化によるストレス
原因
人は環境の変化に対してストレスを感じます。今まで職場に出勤していたことが、自宅が仕事場になれば環境の変化といえます。
予防対策
自分に合ったストレス緩和の方法を見つけましょう。
好きな飲み物を飲む、音楽を聞くなどです。
自宅で簡単にできて、仕事に支障がない方法を探してみましょう。
自宅ですので、職場ではできないこともできると考えれば、楽しみになります。
好きな飲み物を作ったり、好きな音楽を聞けるのは職場ではできないものね。
仕事とプライベートの境界線がない
原因
自宅が仕事場になるため、仕事とプライベートの境界線がなくなります。
そのため、気分のメリハリがつけづらくなります。
また、家庭環境によっては、家族が同じ空間にいるため集中力を維持するのが難しくなります。
予防対策
理想は仕事専用の部屋を作ることです。
難しい場合は、レンタルオフィスやカフェなどを活用する手もあります。
会社によっては、自宅での業務が難しい場合はレンタルオフィスの場所代の補助をしてくれる場合もあるので相談してみるのもいいでしょう。
仕事のメリハリは大切、自分で意識するようにするわ。
コミュニケーションが難しい
原因
会社であれば対面でコミュニケーションをとれますが、テレワークになるとパソコンやタブレットなどのIT端末の画面を通してのコミュニケーションになります。
映像や音声は届きますが、対面から得られる動作や空気感などは伝わりません。
人によっては一人で仕事をしている孤独感がストレスになる場合もあります。
予防対策
テレワークでは対面でのコミュニケーションは不可能ですので、IT端末を通した新しいコミュニケーションに慣れる必要があります。
相談したいことあれば、個別にメールや電話をして、一人で抱え込まないようにしましょう。
また定期的に出社する場合は、その際に対面で相談するのもいいですね。
新しいコミュニケーションか。
時間がかかりそうだけど慣れていくしかないわね。
生活リズムが崩れやすい
原因
仕事とプライベートの境界線がなくなると、勤務時間が崩れやすくなり、人によっては長時間労働になる場合もあります。
そのため、生活リズムが崩れやすくなります。
予防対策
勤怠管理は企業の課題ですが、社員も定刻に仕事を始業・終業するようにしましょう。
昼夜逆転して深夜に仕事をすることは避けましょう。
勤務時間外のメールの確認も次の日の朝にしましょう。
私は勤務時間が終わったら全ての端末の通知を切ってるわ。
運動不足になりやすい
原因
通勤や職場で歩いていた運動量がなくなるため、運動不足になります。
運動不足は肥満のリスクだけでなく、太陽の光を浴びたり外の空気を吸ったりする機会も減り、ストレスの増加につながります。
予防対策
早朝や昼休み、終業後に外を散歩するなどの運動習慣をつけるのが理想です。
太陽光を浴びるのは生活リズムを整えるのにも重要です。
また、自宅で簡単な運動をする時間を作り、1時間に1回、5分程度のストレッチをすると体内の血流が良くなります。
コロナ太りは深刻よね。
ちゃんと休憩してストレッチで気分転換するわ。
テレワークうつの予防対策をうつ病治療者が徹底解説しますのまとめ
テレワークという働き方が勤務形態の1つの選択肢として増えるのは良いことです。
企業にも社員にもメリットは多く存在します。
しかし、デメリットがあるのも無視できません。
コロナ禍が終息した後は、新しい生活様式が定着すると言われています。
それは働き方も同様です。
テレワークがプラスになる人がいる一方で、新たにうつ病になる危険性もあるため、日々のちょっとした工夫をして、テレワークうつを予防しましょう。
もし体調に変化が現れたときは、すぐに上司や産業医に相談して下さいね。
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