有名人の悲しい知らせ、心をえぐられるような事件、次々と流れてくる災害の情報…。
そういった情報に触れるたび、まるで自分のことのように心が苦しくなっていませんか?
もしあなたがそう感じているなら、それは決してあなたのせいではありません。
むしろ、他人の痛みに深く共感できる、とても「優しい心」を持っている証拠です。
特に、うつ病で、まるで心のエネルギーが切れてしまったように感じられるときは、情報への感受性が高まり、普段よりずっとつらく感じてしまうのはごく自然なこと。
だから、どうか自分を責めないでくださいね。
この記事では、そんな優しいあなたが、これ以上情報の洪水に飲み込まれずに済むように。
罪悪感なく情報から距離を置き、自分の心を穏やかに保つための具体的な方法を、一つひとつ丁寧にお伝えしていきます。
なぜ、うつ病のときにニュースが人一倍つらく感じるのか?
具体的な対策の前に、まず一番大切なことをお伝えさせてください。
ニュースを見てひどく疲れてしまうのは、決してあなたの心が弱いからではありません。
その理由を知るだけで、「自分のせいじゃなかったんだ」と、少し心が軽くなるはずです。
理由1:心の「余力」の低下
うつ病のときは、精神的なエネルギーが低下し、心の「余力」が少なくなっている状態です。
そのため、普段なら「大変なニュースだな」と受け流せる情報も、心のバリアをすり抜けてダイレクトに突き刺さり、深く傷ついてしまうことがあります。
理由2:ネガティブな情報への過敏性
うつ病は「気分の問題」だけでなく、脳の機能にも一時的な変化が影響していると考えられています。
そのため、無意識のうちにネガティブな情報に意識が向きやすくなる傾向があると言われています。
同じニュースを見ても、希望のある側面より、不安を煽る側面を強く感じ取ってしまうのです。
理由3:無力感との結びつき
悲惨なニュースを見聞きするたび、「自分には何もできない」という無力感に押しつぶされそうになっていませんか?
この無力感は、うつ病の症状を悪化させる引き金になりやすいと言われています。
「つらいニュースを見る」→「無力感で落ち込む」→「さらに気分が沈む」という、負のループに陥りやすいのです。
「ニュースを見るのがつらい」心を軽くする5つのステップ
ここからは、情報の洪水からあなたの心を守るための、具体的な5つのステップをご紹介します。
難しく考えず、「これならできそう」と感じるものを、一つだけお守りのように試してみてくださいね。
ステップ1:情報の蛇口を閉める【防御術】
まず大切なのは、意図せず情報が流れ込んでくる状態を止めることです。
私たちの心は、スマホが「ピコン!」と鳴るたび、新しい情報が届くたびに、無意識のうちに揺さぶられています。
最初の一歩として、ニュースアプリや速報サイトの「プッシュ通知」をオフにしてみましょう。
自分が「見たい」と思ったタイミングでだけ情報に触れる。
この主導権を取り戻す感覚が、心の平穏につながる第一歩です。
ステップ2:見たくない話題をそっと避ける【選択術】
すべての情報を断ち切る必要はありません。
見たくない言葉や話題だけを、自分のタイムラインからそっと非表示にする「選択術」を使いましょう。
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSには、特定のキーワードを含む投稿を表示させない「ミュート機能」があります。
ご自身がつらくなる言葉(たとえば「事件」「速報」「地震」など)を登録しておけば、意図せず目にして心を痛める機会をぐっと減らすことができます。
これは誰にも知られずにできる、あなただけのやさしい工夫です。
ステップ3:心に「休刊日」を作る【習慣術】
「なんとなくスマホを見ていたら、あっという間に時間が過ぎて、心も疲れてしまった…」。
そんな経験はありませんか?
情報に振り回されないためには、「ニュースに触れる時間」をあらかじめ決めてしまう「習慣術」が効果的です。
特に、「朝起きてすぐ」と「夜寝る前」は、心を穏やかに保ちたい大切な時間帯。
この時間はニュースやSNSを見ないと決めるだけでも、1日の始まりと終わりの気分が大きく変わるのを実感できるはずです。
「お昼休みの5分だけ」など、自分でルールを作って情報と付き合う習慣を育てていきましょう。
ステップ4:心のフィルターを育てる【思考術】
情報に触れたとき、私たちの心は瞬間的に反応します。
その反応に流される前に、一呼吸おくための『心のフィルター』を育ててみませんか?
心がザワッとしたり、不安になったりしたら、自分にこう問いかけてみてください。
「この情報は、今の私に本当に必要なものかな?」
すべての情報を、真正面から受け止める必要はありません。
今の自分にとって必要ない、心が受け止めきれないと感じたら、そっと画面を閉じていいのです。
ステップ5:見てしまった後のセルフケア【気分換リスト】
気をつけていても、つらい情報に触れてしまうことはあります。
そんなときは、自分を責めずに、心を落ち着けるためのセルフケアをしてあげましょう。
- 好きな音楽を聴く
- 温かい飲み物をゆっくり飲む
- 窓を開けて、新鮮な空気を吸い込む
- 5分だけ目を閉じて、深呼吸を繰り返す
- ペットやぬいぐるみなど、安心できるものに触れる
- 信頼できる人と、ニュースとは全く関係のない話をする
あなただけの「これをすれば少しホッとする」という気分転換リストを作っておくのもおすすめです。
まとめ:完璧じゃなくて大丈夫。まずは「通知オフ」から心を軽くしよう
ここまで、情報疲れから心を守るための、たくさんの方法をお伝えしてきました。
でも、そのすべてを一度に完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
- ステップ1:情報の蛇口を閉める【防御術】
- ステップ2:見たくない話題をそっと避ける【選択術】
- ステップ3:心に「休刊日」を作る【習慣術】
- ステップ4:心のフィルターを育てる【思考術】
- ステップ5:見てしまった後のセルフケア【気分転換リスト】
もし迷ったら、まずは一番簡単な「通知オフ」から試してみてください。
それだけでも、きっとあなたの心は少し軽くなるはずです。
完璧じゃなくていい。
できることから一つずつ。
あなたの心が、少しでも穏やかな時間を取り戻せるよう、心から願っています。


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