「職場復帰が怖い」その気持ち、間違ってないよ。不安を安心に変える、心の準備ガイド

うつ病で「職場復帰が怖い」と感じる男性が、進むべき道を示す羅針盤の描かれた「お守り」を指差しているイラスト。復職への恐怖はあなたを守る大切なサインであり、この記事がその不安を「安心の道しるべ」に変える心の準備ガイドになることを象徴しています。
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休職期間の終わりが見え、会社から復職の話が出始めた途端、心臓がドキッとする。
会社のことを考えるだけで、足がすくむ。
そんなふうに感じてしまうことは、決して珍しくありません。

もし、復職までの全体的な流れや手続きについて先に確認したい場合は、こちらの記事を参考にしてください。

この記事は、復職の「手続き」を解説するものではありません。
手続きは分っているけれど、どうしても「怖い」という感情が心を支配して動けない、そんなあなたの心に寄り添うために書きました。

その「怖さ」は、あなたが真剣に会社や自分の人生と向き合っている証拠です。
無理に消さなくて大丈夫。

私の後悔した体験談も交えながら、その恐怖心を「お守り」に変え、少しだけ心を軽くして復職への一歩を踏み出すための、具体的な心の準備についてお伝えします。

「職場復帰が怖い」と感じる3つの理由

漠然とした「怖い」という感情を言葉にして分解するだけで、心は少し軽くなります。
あなたの怖さは、どれに近いですか?

(1)「以前のように働けるかな…」能力への不安

休職期間を経て、体力や集中力、判断力が落ちていると感じることへの焦りです。
そうした不安を抱くのは、回復過程で多くの人が通る道です。

(2)「みんなに迷惑をかけた…」人間関係への罪悪感

同僚の目が気になる、腫れ物扱いされるのが辛い、という気持ち。
真面目で責任感の強い人ほど感じやすい感情です。
責任感が強いあなただからこそ、そう感じてしまうのかもしれません。

(3)「また再発したら…」環境への恐怖

休職の原因となった環境に戻ることへの、心と体の自然な防衛反応です。
決してあなたが弱いからではありません。

復職後の再発を防ぐための、具体的な働き方のコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

復職のタイミングを見極める心の準備度チェックリスト

チェックリストを見て「まだ自分は休んだ方がいいかも…」と感じた方は、無理せず、こちらの記事で正しい休養のとり方をもう一度確認してみてくださいね。

医師の診断書は医学的な判断。
それとは別に、あなた自身の感覚で「今」の状態を確認してみましょう。

これは“できたら安心”という目安で、すべて満たす必要はありません。

【生活リズム】朝、出勤日と同じ時刻に起きられていますか?

特別な用事がなくても、最低2週間は安定して起きられている状態が、一つの指標になります。

【体力】電車に乗って30分ほど外出できますか?

いきなり満員電車はハードルが高いもの。
まずは日中に図書館などへ「模擬通勤」してみるのも良い方法です。

【興味】仕事以外に「楽しい」「面白い」と感じることはありますか?

心のエネルギーが回復してくると、趣味や好きなことに自然と興味が戻ってきます。

「どうしても怖い」を和らげる、制度という名の“お守り”

復職のハードルを下げてくれる制度は、あなたの働き方を守る大切な仕組みです。
復職は「全快して100%の力で戻る」ことではありません。
使える制度を積極的に活用し、ハードルを下げましょう。

まずは「リワーク」や「試し出勤」で心と体を慣らす

一人で完璧な状態を目指すのは困難です。
多くの会社では、本格復職の前にリハビリとしてこれらのプログラムへの参加を推奨、あるいは必須としています。

会社と相談して環境を調整してもらう

会社には「安全配慮義務」があります。
難しい言葉ですが、かんたんに言うと「会社はあなたが安全に働けるように配慮しなければならない」という決まりです。

休職の原因が元の職場環境にある場合、復職前の面談などで、時短勤務や異動の希望について相談することができます。

【体験談】一番の難関「挨拶」で、もう後悔しないために

復職当日、一番心がすり減るのが人間関係です。
私の失敗談から、あなたに本当に伝えたいことを書きます。

私が「みんなに謝って」と言われるままに、深く後悔した話

当時の私は、上司に言われるがままに、朝礼で「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げました。

しかし、その瞬間から、自分の中で「罪悪感を抱えた休職者」という意識が強くなってしまい、その後、対等な関係に戻るまでに少し時間がかかってしまいました。

なぜ「謝罪」ではなく「感謝」を伝えるべきなのか

休職は、責められるべきことではありません。
療養は、回復に必要な時間です。

「謝罪」は自分を不必要に下げ、相手との間に壁を作ります。
一方、「感謝」は、協力してくれた同僚への敬意を示し、ポジティブな関係を再スタートさせる力があります。

【コピペOK】感謝が伝わる挨拶・メール文例集

【朝礼・対面での挨拶(基本形)】

「皆さま、本日から復職いたしました、ななころです。休職中は、業務のフォローをしていただき、本当にありがとうございました。また皆さんと一緒に働けることを嬉しく思います。まずは時短勤務からですが、一日も早く戦力になれるよう努めますので、どうぞよろしくお願いいたします。」

【朝礼・対面での挨拶(短縮版)】

「本日から復職しました、ななころです。休職中のご配慮、ありがとうございました。これからまた、どうぞよろしくお願いいたします。」

【上司への事前メール】

件名:復職のご挨拶(ななころ)
〇〇部 〇〇様

ご無沙汰しております。ななころです。

この度の復職にあたりましては、〇〇様をはじめ、皆さまには大変温かいご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。
〇月〇日から、また皆さまと一緒に働けることを大変嬉しく思っております。
復職後は、まずはいただいた業務に集中し、一日も早くチームに貢献できるよう努めてまいります。

今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

それでも心が「NO」と言うなら、立ち止まっていい

すべての準備をしても、心が拒絶反応を示すなら、それは大切なサインです。

復職はゴールではなく、選択肢の一つ

あなたの人生の目的は、会社に復職することではありません。
あなたが心穏やかに暮らせることです。
「環境を変える(退職・転職)」という決断も、立派な前進です。

あなたの心と体を、何よりも最優先にしていい

今日一日、無理なく過ごせたなら、それだけで100点満点です。

まとめ

「職場復帰が怖い」という気持ちは、回復への最終関門で誰もが感じる自然な感情です。

怖いままでいい。
完璧じゃなくていい。
その震える足で踏み出す一歩は、とても尊いものです。

もし当日、心や体が動かなかったとしても、それは「今は立ち止まる時期」というだけのことです。
あなたの価値は1ミリも変わりません。

この記事が、あなたの心のお守りになれたら嬉しいです。

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