ベッドから起き上がれない。
玄関のドアが、とてつもなく重く感じる。
「手続きをしないと」「郵便物を確認しないと」──頭では分かっていても、体が動きませんよね。
それは怠けではなく、心のエネルギーが足りなくなっているだけです。
この記事では、そんなあなたのために、家から出ずに、あるいは最小限の負担で暮らしを守る具体的な「10の方法」を、私の体験談と共にご紹介します。
お守り代わりに知っておくだけで、心は少し軽くなります。
できそうなものから、一緒に見ていきましょう。
この記事を読み終える頃には、「少しだけならできそう」と思えることが、きっと見つかるはずです。
まず、自分を責めないで。外出できないのは、うつ病などの症状としてよく見られることです
外出できないのは、あなたの心が弱いからではありません。
脳のエネルギーが枯渇し、心と体にブレーキがかかっている状態です。
まずは「今は休むのが仕事」と割り切り、自分を責めるのをやめることから始めましょう。
【手続き編】役所に行かずに申請を済ませる
方法1:オンラインで申請する(マイナポータル)
マイナンバーカードがあれば、転出届や一部の公的申請がスマホで完結します。
国が運営する「マイナポータル」から手続きが可能です。
※カードの更新申請はオンラインでできますが、新しいカードの受け取りは原則、本人が窓口に出向く必要があります。
体調が良い日を狙うか、後述する代理人交付を検討しましょう。
正直、マイナポータルの初期設定は少し面倒でした…。でも、一度乗り越えてしまえば、役所に行く時間と交通費がゼロになります。体調が悪い時に「あの時やっておいて本当によかった」と思える、未来の自分への投資です。
方法2:郵送で手続きを進める
多くの自治体では、申請書を公式サイトからダウンロードできます。
郵送での提出が可能か、まずは電話で確認してみましょう。
「外出が難しくて…」と正直に伝えたら、自立支援医療の更新書類一式を郵送してくれました。申請自体は代理人に頼みましたが、書類を取りに行く手間が省けただけで、本当に助かりました。
方法3:コンビニで証明書を受け取る
マイナンバーカードがあれば、住民票の写しや印鑑登録証明書などを、深夜でも近所のコンビニで発行できます。
夜中に「明日の手続きで住民票が必要だ!」と気づいて絶望しかけたことがあります。でも、パジャマに上着を羽織るだけで近所のコンビニで発行できた時、心の底から感動しました。不規則な生活でも安心できる、まさにお守りのような制度です。
【郵便・荷物編】ポストや玄関に出ずに受け取る
方法4:宅配便は「会員登録」で受け取りをコントロールする
以下の無料会員サービスに登録しておくと、荷物の到着前に通知が届き、置き配やコンビニ受け取りに指定できます。
※Amazonなど一部ECサイトからの発送が通知対象です。個人からの荷物などは通知が来ない場合もあります。
以前はインターホンの音にすらビクビクしていましたが、「置き配」を指定するようになってからは心の平穏が訪れました。配達員さんと顔を合わせるプレッシャーがないだけで、こんなに気が楽になるなんて、と驚きました。
方法5:置き配できない荷物は「コンビニ受け取り」に切り替える
医薬品など対面受け取りが必須の荷物も、コンビニ受け取りに変更すれば、自分のタイミングで受け取れます。
ネットで買った薬が置き配不可で困った時、コンビニ受け取りに救われました。人目を気にせず自分のペースで受け取れるので、ちょっとした外出の良いリハビリにもなりましたよ。
【生活編】ゴミ出し・支払いを乗り切る
方法6:ゴミは「無理せず、臭わせず」一時保管する
指定日に起きられなくても大丈夫。
防臭効果の高いビニール袋で小分けにしておけば、次の機会まで室内で保管できます。
もし大きな冷凍庫があれば、生ゴミをビニール袋で二重に縛って冷凍するのがおすすめです。臭いも菌の繁殖も完全に防げます。最近は「生ゴミ用冷蔵庫」という家庭用の小型冷蔵庫も販売されており、冷蔵庫にスペースの余裕がない方は安心です。試してみると便利ですよ。おすすめの製品はこちら。
方法7:支払いは「ネットバンキング」で自動化する
スマホ一つで振込や残高照会が可能。
公共料金や家賃は、口座振替やクレジットカード払いに設定しておけば、支払い忘れの不安から解放されます。
通帳の残高が減っていくのを見るのが怖くて、ATMに行けない時期がありました。でもネットバンキングなら、布団の中からお金の管理ができます。漠然としたお金の不安が、少しだけ具体的になって対処しやすくなりました。
【通院編】薬が切れる不安をなくす
方法8:オンライン診療・往診を検討する
まずは、かかりつけ医がオンライン診療に対応していないか確認しましょう。
対応していなくても、電話で相談すれば別の方法を提案してくれることがあります。
最終手段として、精神科の往診サービスを探すのも手です。(参考:オンライン診療は浸透する?)
以前、家族に代理で受診してもらったことがあります。同じ薬をもらうだけなら可能でしたが、「本人でないと症状が正確に把握できないため、薬の変更はできない」と言われました。これが、無理なく自分で通える近所の病院への転院を決意するきっかけになりました。
頼るのも“自立”のひとつ。一人で抱え込まない勇気
「ここまで読んだけど、やっぱり自分には難しい…」そう感じるかもしれませんね。
そんなときは、誰かの助けを借りることも、あなた自身を守るための大切な選択です。
方法9:家族や友人に「代理」をお願いする(委任状)
役所の手続きの多くは、委任状があれば代理人が行えます。
書き方は自治体のサイトで確認できます。
家族に頼むのが、最初はすごく申し訳なかったです。でも、「委任状を印刷するところまでは自分でやったから、あとはお願い!」と具体的に頼んだら、快く引き受けてくれました。全部丸投げせず、自分にできる範囲のことをやると、罪悪感が少し軽くなりますよ。
方法10:公的な支援の専門家に「電話で」相談する
病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)は、こうした生活上の困りごとを無料で相談できるプロです。
私の担当のMSWさんは、電話での相談にも乗ってくれました。家から出ずに専門家と話せるだけで、孤立感が和らぎました。まずは病院の代表番号に電話して「MSWさんにつないでほしい」と伝えてみてください。それが、立派な“最初の一歩”です。
【番外編】日々の買い物や食事がつらいときは
まとめ
あなたが今日、この記事を読もうとしてくれたこと自体が、回復に向けた大きな一歩です。
その気持ちを、どうか大切にしてくださいね。
今日ご紹介した10の方法のうち、あなたが「これなら試せるかも」と思えるものはあったでしょうか。
すべてを一度にやろうとしなくて大丈夫です。
便利なサービスや周りの人の助けを借りながら、あなたの生活が少しずつ、でも確実に回り始めることを、心から願っています。
お気軽に感想をどうぞ