【読むのがつらいあなたへ】1分でわかるイラスト物語|こころの傘をさす練習

「こころの絵本」第4話『こころの傘をさす練習』の表紙イラスト。雨上がりの木漏れ日の中、主人公こころさんが傘を差して希望に満ちた表情で空を見上げ、回復への道のりを象徴。
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薬は、心の嵐からあなたを守る「傘」

うつ病治療の第一歩である薬を前に、不安げな表情でテーブルを見つめるこころさん

お医者さんから出された、ちいさな薬。
テーブルのすみっこで、私をじっと見ている。

「本当に、効くのかな」
「副作用は、こわくないかな」
「一度のんだら、やめられなくならないかな」

たくさんの不安が、さざ波みたいに押しよせる。

うつ病の薬と水の入ったコップを手に、治療への一歩を踏み出そうと覚悟を決めたこころさんの手元のクローズアップ

でも、先生は言っていた。
「焦らなくていいですよ。これは、心の嵐からあなたを守るための『傘』だと思ってください」

震える手で、はじめの一粒を、そっと飲みこんだ。

薬の効果が感じられず、窓の外の雨模様を不安げな表情で眺めるこころさん

一日、また一日と、薬を飲みつづける。
でも、心はまだ、重たいまま。

「本当に、これでいいのかな…」

窓の外の景色みたいに、
気持ちもずっと、雨もよう。

ある朝、カーテンから差し込む光に、心境のわずかな好転を感じ取るこころさんの穏やかな表情

それから、何週間かが過ぎた朝。
ほんの少しだけ、ほんの少しだけ、
心が軽いことに気がついた。

夜、とぎれとぎれだった眠りが、
きのうは少しだけ深かったかもしれない。

それは、劇的な回復なんかじゃない。
でも、たしかな「ちいさな変化」だった。

雨上がりの光が差す道を、透明な傘を手に穏やかな表情で歩くこころさん。薬を「心を守る傘」として受け入れ、自分のペースで歩み始めた様子。

薬は、雨を止ませる魔法じゃなかった。
でも、土砂降りの雨のなかで、心がずぶ濡れにならないように守ってくれる、やさしい「傘」なんだ。

今は、この傘をたよりに、ゆっくり歩いていこう。

そう、思えるようになった。

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