【読むのがつらいあなたへ】1分でわかるイラスト物語|こころに耳をすます練習

「こころの絵本」第5話『こころに耳をすます練習』の表紙イラスト。主人公こころさんが安堵に満ちた穏やかな表情で目を閉じ、そっと胸に手を当てて、自分自身の内なる声と対話を始めた瞬間を象徴。
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カウンセリングは、自分のこころにそっと耳をすます練習の場所

カウンセリングルームのドアの前で、不安そうに俯いているこころさん

お薬を飲むようになって
嵐みたいな毎日は、少しだけおさまった。

でも、心の奥にはまだ
言葉にならないモヤモヤが残っている。

先生に勧められた「カウンセリング」
…何を、話せばいいんだろう。

穏やかなカウンセラーと向かい合って座るが、緊張で手を固く握り、手元を見つめているこころさん

勇気を出して入った部屋は
あたたかい日差しが差し込む
やさしい場所だった。

カウンセラーさんは、穏やかな笑顔で
ただ、そこにいてくれた。

言葉が出てこない私を
急かすことなく、静かに待っていてくれた。

カウンセラーの優しい言葉に、少し顔を上げてぽつりぽつりと話し始め、涙を流すこころさん

「うまく話そうとしなくて、いいんですよ」

その一言に
かたくなっていた肩の力が
ふっと、抜けていくのがわかった。

ぽつり、ぽつり。

自分でも忘れていた気持ちが
言葉にならない思いが
涙と一緒に、こぼれていった。

話を聞いてもらう中で強張っていた表情が和らぎ、安堵の涙をうかべるこころさん

誰かに、ただ聞いてもらうこと。
良いとか悪いとか、判断されずに
すべてを受け止めてもらうこと。

あんなに重かった心の荷物が
ほんの少しだけ
軽くなったような気がした。

カウンセリングの帰り道、少しだけ顔を上げて空を見上げるこころさん。その表情にはかすかな希望が宿っている

帰り道。
すぐに何かが解決したわけじゃない。

でも、がちがちに固まっていた心が
きつく結ばれた結び目が
ほんの少しだけ、ほどけた気がした。

見上げた空は
来たときよりも、少しだけ広く見えた。

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第6話 回復の兆し
(現在、心をこめて準備中です)

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