【体験談】うつ病の生活習慣を整える方法|19年で見つけた“無理しないコツ”

「うつ病でも、無理しない 『できた』を重ねる、ちいさな生活習慣」――うつ病の生活習慣の整え方をテーマにしたアイキャッチ画像。0.1という小さな一歩を祝福する旗が立った定規と、やさしく見守る男性キャラクターのイラスト。
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うつ病の治療には、生活習慣の見直しが大切。
頭ではわかっていても、体がついてこない…。

「朝、起きられない」
「お風呂に入る気力もない」
「食事もまともに摂れない」

そんな自分を責めて、さらに落ち込んでしまうこともありますよね。
でも、安心してください。
この記事でお伝えしたいのは、完璧な生活習慣ではありません。

19年間うつ病と向き合ってきた私が、つらい時期を乗り越えるために実践してきた「0.1歩から始める」無理しない生活習慣のコツです。

この記事を読み終える頃には、「これならできるかも」と心が少し軽くなり、回復への小さな一歩を安心して踏み出せるはずです。

うつ病で生活習慣が乱れても大丈夫|それは症状であってあなたのせいじゃない

まず、一番大切なことをお伝えします。
うつ病で生活リズムが乱れたり、何も手につかなくなったりするのは、あなたの意志が弱いからではありません。

脳のエネルギーが枯渇し、意欲や気力をつかさどる機能がうまく働かなくなっている「症状」なのです。
車でいえば、ガス欠の状態。
アクセルを踏んでも進まないのは当然です。

だから、できない自分を責める必要は一切ありません。
生活習慣を見直す上で、「自分を責めないこと」が、最も大切で、回復への一番の近道になります。

【ステージ別】うつ病の回復を助ける生活習慣の整え方ガイド

うつ病には、症状の波があります。
大切なのは、その波に合わせて、無理なく過ごすこと。

今のあなたの状態に近いところから、読んでみてくださいね。

ステップ1:症状が重い時期(急性期)は「何もしない」が正解

一日中ベッドから動けない。
思考もまとまらない。
そんな症状が重い時期は、何かをしようと考えること自体が大きな負担になります。

この時期の目標は、ただ一つ。

生きているだけで、もう120点です。

無理に起き上がろうとしたり、生活を正そうとしたりする必要はありません。
やるべきことは、以下の3つだけです。

  • とにかく休むこと
  • 処方されたおくすりを飲むこと
  • 自分を責めないこと

食事も、食べられるものを、食べられる時に、食べられるだけで十分。
今は、心と体のエネルギーを充電するための、大切な「何もしない」期間なのです。

体験談:何もしない時間が心を守ってくれました
私も急性期の頃は、ただ天井を見つめるだけの日々でした。「社会から取り残される…」と焦る気持ちもありましたが、今思えば、あの「何もしない時間」がなければ、回復はもっと遅れていたと思います。焦らなくても、本当に大丈夫です。

心の休ませ方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ステップ2:少し動ける時期(回復期)に試したい7つの習慣

「少しだけ、何かしてみようかな…」
そんな気持ちが芽生えてきたら、回復期に入ったサインかもしれません。

ここでは、私が実際に試して効果があった7つの習慣を、「目指す姿(Goal)」と「はじめの一歩」に分けて紹介します。
いきなりゴールを目指さず、できそうな「はじめの一歩」から試してみてくださいね。

1. 朝日を浴びる:体内時計のスイッチを入れよう

朝日を浴びることは、乱れがちな体内時計をリセットし、心と体のリズムを整えるための大切な一歩です。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
午前中に5分、外に出て日光を浴びる寝る前にカーテンを5cmだけ開けておく

外に出るのが難しければ、窓際で1分過ごすだけでも気分が変わることがあります。
まずは光を感じることから始めてみましょう。

体験談:カーテンの隙間から差し込む光が希望でした
最初はカーテンを開けることすら面倒でした。でも、試しに少しだけ開けて寝てみたら、翌朝、差し込む光で自然と目が覚めて。「あ、朝だ」と感じられたのが、すごく嬉しかったのを覚えています。

2. 食事:心の栄養を「少しだけ」意識する

食事は体のエネルギー源であると同時に、心の栄養にもなります。まずは「何か口にできた」という事実が、回復への0.1歩になります。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
栄養バランスの取れた食事を1日3回摂る1日1回、何かを口にする

コンビニのカット野菜や冷凍うどん、ゼリー飲料など、便利なものにどんどん頼りましょう。「食べられた」という事実が、自信につながります。

体験談:私の定番は「卵かけ納豆ご飯」でした
回復期は、卵と納豆をご飯にのせるだけの「卵かけ納豆ご飯」に本当にお世話になりました。調理時間は1分。タンパク質が摂れて満腹感もあるので、今でもよく食べます。「ちゃんと食べた」という満足感がありました。

3. 運動:「気分転換」と捉えよう

うつ病の改善には軽い運動が効果的と言われますが、大切なのは「運動しなきゃ」ではなく「体を動かすと気持ちいいな」と感じることです。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
1日15〜30分程度のウォーキング玄関で靴を履いてみる

玄関まで行けたら100点。
もし外に出る気力があれば、家の周りを1周するだけでも素晴らしいです。
YouTubeを見ながら、ラジオ体操を1つだけやってみるのもおすすめです。

体験談:「郵便ポストを見るだけ」が目標でした
ウォーキングのハードルが高かったので、「郵便ポストを見に行くだけ」を目標にしていました。往復たったの3分。でも、外の空気を吸うだけで気分が少し変わるのを感じられました。

4. 入浴:心と体の緊張をゆるめる

お風呂には、心と体の緊張をほぐし、リラックスさせる効果が期待できます。完璧を目指さず、自分を清潔にできただけで満点です。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる温かいタオルで顔を拭くだけでもOK

シャワーを浴びる気力がない日も、もちろんあります。
そんな日は、顔や首を温かいタオルで拭くだけでも、さっぱりして気持ちが切り替わりますよ。

体験談:「歯磨きできたなら十分」という言葉に救われました
お風呂に入れない罪悪感に苦しんだ時期がありました。ある日カウンセラーに相談したら「歯磨きできたなら十分すごい!」と言われて。それ以来、何か1つできればOK、と自分を許せるようになりました。

5. 睡眠:眠りの質を少しだけ高める

「よく眠らなきゃ」というプレッシャーは、かえって睡眠を妨げます。眠りの環境を少しだけ整えることから始めてみましょう。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
決まった時間に寝て、起きる寝る15分前はスマホを触らない

眠れないからとスマホを見てしまうと、脳が興奮してさらに眠れなくなる悪循環に。
ベッドから手の届かない場所にスマホを置いて寝るのがおすすめです。

体験談:MSWの方の助言が入眠スイッチになりました
寝る前のスマホがやめられず、医療ソーシャルワーカー(MSW)の方に相談したところ「スマホの代わりに、ヒーリングミュージックを1曲だけ聴いてから寝てみては?」と提案されました。これが効果的で、音楽を聴くことが私の入眠スイッチになりました。

より詳しい不眠対策は、こちらの記事で紹介しています。

6. 片付け:「1日1個」で環境を整える

散らかった部屋は心のエネルギーを奪います。まずは目に入ったゴミを1つ捨てる。その小さな行動が、心を整理するきっかけになります。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
部屋を清潔に保つ目に入ったゴミを1つだけゴミ箱に捨てる

「片付けよう」と意気込む必要はありません。
飲み終わったペットボトルを1本捨てる。
テーブルの上をティッシュで拭く。
その小さな行動が、心を少しずつ整理してくれます。

体験談:ゲーム感覚の「1日1アクション」で乗り切りました
部屋がゴミ屋敷寸前だった頃、「1日1アクション」と決めていました。月曜はゴミをまとめる、火曜は洗い物を1枚だけする…という風に。ゲーム感覚でやると、少しだけ罪悪感が和らぎました。

7. 記録する:「できたこと」を見える化する

回復期は一進一退。調子が悪い日も「これだけできた」という事実が、あなたを支えるお守りになります。

目指す姿(Goal)はじめの一歩
毎日の生活記録をつけるできた「はじめの一歩」をカレンダーに丸をつける

どんなに小さなことでも、「できたこと」を記録すると、回復している自分を客観的に認められます。
その小さな自信の積み重ねが、大きな力になります。

体験談:「できたことシール」が大きな支えでした
私は手帳に「できたことシール」を貼っていました。「カーテンを開けた」「薬を飲んだ」など、どんな些細なことでもシールを貼る。手帳がシールで埋まっていくのを見ると、目に見えて頑張りがわかり、大きな支えになりました。

【注意】うつ病の回復を妨げる生活習慣の落とし穴3つ

良かれと思ってやっていたことが、実は回復を遅らせてしまうこともあります。
私の失敗談から、特に注意してほしい3つのポイントをお伝えします。

  1. お酒に頼ること
    眠れないから、気分を紛らわしたいから、とお酒に頼るのは危険です。アルコールは睡眠の質を下げ、おくすりの効果にも影響します。
  2. カフェインの摂りすぎ
    コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは、体を緊張させて不安や焦りを強くすることがあります。特に、午後以降は控えるのが無難です。
  3. 「やらなきゃ」で自分を追い詰めること
    生活習慣を整えることは、回復のための「手段」であって、「目的」ではありません。「〜しなきゃ」という考えは、自分を追い詰めるだけ。できない日があって当たり前です。

まとめ|うつ病の生活習慣改善は0.1歩ずつで大丈夫

うつ病の療養生活で大切な生活習慣を7つ、紹介しました。

  1. 朝日を浴びる
  2. 食事
  3. 運動
  4. 入浴
  5. 睡眠
  6. 片付け
  7. 記録する

でも、一番忘れないでほしいのは、全部できなくて当たり前だということです。
調子の良い日に1つできたら、自分をたくさん褒めてあげる。
調子の悪い日は、何もしなくていい。

完璧な1日を目指すより、昨日より0.1歩でも進めた自分を認めてあげること。
その積み重ねが、必ず回復へと繋がっていきます。

今日のあなたへ
まずは今日、あなたが「これならできそう」と思えた「はじめの一歩」を1つだけ、選んでみませんか?

あなたはもう、十分すぎるほど頑張っています。

生活習慣の見直しは、必ず主治医と相談しながら、ご自身の体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。特に症状が重い時期は、焦らず休養に専念することが最も大切です。

お気軽に感想をどうぞ

  1. こんにちは!(*^^*)
    ブログランキングから来ました。
    どんな病気も生活習慣は大事ですよね。
    私のような難病と違って、うつは治る病気です。気長に治していってくださいね。

    • ユートピアさん、コメントありがとうございます。ブログランキングから初めて来た下さった方なので嬉しいです。ユートピアさんのプロフィール拝見させて頂きました。確かに波乱万丈な人生ですね…生活習慣はどんな病気にも通じる大切なものなので、少しでもより良いものにしたいです。お互い病気とうまく付き合いながらいきましょうね。温かい言葉ありがとうございます。

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