うつ病16年患者がうつ病になって良かったこと・悪かったことを語ります

うつ病16年の体験談、うつ病になって良かったこと・悪かったことのアイキャッチ うつ病を知る
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やおこ
やおこ

うつ病になってつらい思いしてるなら悪いことばかりじゃないの?

ななころ
ななころ

確かに世界の見え方や生き方が180度変わったかもしれないね。でもね、うつ病になって良かったこともあるんだよね。

やおこ
やおこ

えっ、良かったこともあるの!?

ななころ
ななころ

そうだよ。転んでもタダでは起きない、ななころです!もちろん悪かったこともあるから、それも含めてお話します。

うつ病になって良かったこと

うつ病15年の体験談、うつ病になって良かったこと

人は誰しも健康でいたいものです。
できれば病気にはかからず、毎日元気でいたいですよね。

とはいえ、長い人生誰しも何かしらの病気にはかかります。
そして、そこから得るものもあります。
いま現在、あなたやご家族が病気で苦しんでいる場合は、つらい思いをしているでしょうが、病気に負けまいと必死になってる人が多いでしょう。

私がうつ病を経験して良かったと思えることをまずお伝えします。

自分自身を知ることができた

うつ病が発症して、いま現在に至るまでカウンセリングや休職、復職、退職などを通じて自分自身を見つめ直すきっかけになりました。
自分の性格、弱さ、考え方のクセを知り、またそれが強さでもあることに気付きました
人はみんな性格や価値観が違います。
だからこそ人間関係は難しいのです。
自分を知れば、周りの見え方が変わってきます。
うつ病にならなければ、そのきっかけはなかったかもしれません。

両親や友人のありがたみを知った

私の場合ですが、偏見がまだまだ多いうつ病に対して、両親は理解を示してくれました。
相談にも乗ってくれますし、嫌な愚痴を投げかけてくることもありません。
また友人の存在も大きかったです。
病気になっても、その関係を大切にしてくれるのが真の友人だと思います。

人の痛みを思いやれるようになった

うつ病になってこころがめちゃくちゃになり、人生の挫折を経験すると他の人も同じような経験をしていることに気付きます。
うつ病の方へはもちろん、他の病気や原因で苦しんでいる人への見え方が変わりました。

どういう言葉をかければいいか、どういう距離感を保てばいいか、どんな関係でいるのがいいのか。
ときには、距離を置いた方がいい、そっとしておく方がいいときもあります。

そういうことがわかる人になれた気がします。
本当の強さとは人の弱さを知っている人だと思います

メンタルヘルスの知識が増えた

書籍やインターネットでうつ病に関する情報を調べると自然にメンタルヘルス全般の知識が増えていきます。
SNSで知り合った人がうつ病以外のメンタル疾患だったら、それがどんなものかを調べるようにしてるのでメンタル疾患全般にだいぶ詳しくなりました。

また、せっかく得た知識を何か形にしたくて、メンタルヘルス・マネジメント検定(主催:大阪商工会議所)の資格もとりました。

健康について真剣に考えるようになった

今まで大きな病気をしたことがなかったので「健康は当たり前のこと」と思っていましたが、うつ病になったことでメンタルヘルスだけでなく、健康全般について考えるようになりました。

健康なことは本当に恵まれていることです。
今までは最低限の健康診断しか受けなかった私は、28歳から人間ドックに毎年行くようにしました。
健康の一番の秘訣は日々の生活習慣改善(予防)と早期発見・早期治療です
検査をすることで自分の身体がどういう状態なのか調べるようになりました。
診断結果はあまり良くありませんが…笑

生き方を考えるきっかけになった

勉強に明け暮れた学生時代、仕事で発症したうつ病。
今まではなんとなくより良い学校に進学、会社に就職と考えてきましたが、うつ病になったことで働き方だけでなく、生き方自体を考え直すきっかけになりました。

まだ答えは出しきれていませんが、最近思うことは「人生は一度きり」です。
身を粉にして働いて健康を壊してまで働き続ける。

私はどんな生き方をしたいのか、何が幸せなのか

そんな哲学的なことを考えるようになりました。
実際に行動しようと思って、その一つの答えとして、このブログがあります。

うつ病になって悪かったこと

うつ病15年の体験談、うつ病になって悪かったこと

ななころ
ななころ

もちろん、良かったことだけではありません。
うつ病を経験して私自身の体験談から悪かったことも紹介します。

こころに見えない傷ができた

よく「古傷が痛む」といいます。

うつ病の場合は実際には目に見える傷はありませんが、脳内にはうつ病でつらい思いをした記憶は刻まれます。
そして、寛解(症状が穏やかになる)から再発を繰り返したりしていくうちに「また再発するのではないか」という不安がよぎります。

私はこれを「見えない傷」と呼んでいます。

実際に、あらゆる病気全般に対して過敏になりました。
よく言えば病気予防を徹底してるのですが、実際のところは病気に対して臆病になりました。

健康に敏感になることで、少しでも身体に異変があると、すぐに病気を疑うようになりました。
頭が痛い → 脳の病気?お腹が痛い → 内臓の病気?
こんな具合です。私は自分のこの極端な考えを「病気じゃないか病」と名付けています笑
過敏過ぎるのも良くないですね。

古い友人と疎遠になった

さきほど、友人のありがたみを知ったと書きましたが、全員ではありません。
実際のところ、多くの友人とは疎遠になりました。
それは友人が去っていったのではなく、原因は私自身にあります。
うつ病で元気じゃない状態を見せたくないという私の勝手な思い込み(認知の歪み)が自然と友人と会うことを避けるようになりました。
同窓会は今まで開かれていませんが、もし招待のお知らせが来ても出席する自信はありません。
これは私の今後の課題です。

うつ病16年患者がうつ病になって良かったこと・悪かったことを語りますのまとめ

うつ病15年の体験談、うつ病になって良かったこと・悪かったことのまとめ

うつ病は寛解しても、再発の心配が常にあります。
しかし、病気を経験したことで得られたことは、失ったことより多いと思っています。

もし、いまあなたがうつ病に苦しんでいたら、毎日が苦しいでしょうが、必ず長いトンネルの先に光が待っています。
決して諦めることはせず、しかし焦らずに、自分のペースで進んでいければいいですね。

家族や恋人、友人がうつ病で苦しんでいる人がいたら、ぜひとも理解を示してあげてほしいです。
まだまだ誤解の多い病気です。
正しい知識をつけて、ぜひ助けになってあげて下さい。

お気軽に感想をどうぞ

  1. 私は75歳の元気?老人ですが30年間に2度鬱病を体験しました。ななころさんの様に鬱病を体験する事により貴重な体験を沢山しました、人生を諦め睡眠薬自殺をし,この世から居なくなりそうな状態の時もありましたが私の場合は周りの方に恵まれたのかも知れませんが常にピンチになっても諦めず乗り越えてきました。一度目の鬱病の時は環境が変わることで鬱病から抜ける事ができましたが、まだ鬱病という言葉もなく鬱病になる方の特徴の完全主義的考えを変える認知行動療法というものもない為30年後2度目を発症してしまいましたが、今は認知療法を学んだお蔭で、物事を客観的に考える事ができるようになりストレスを上手く乗り越える事が出来るようになりました。今は鬱病病体験者でないと味わえない苦しい体験をした為に、ありきたりの事にも心から感謝できるようになり鬱病になった事に感謝さえしています

    • くぼとちおさん、コメントありがとうございます。

      私より先輩で、まだうつ病の解明がされていない時に経験されたのですね。
      今ではだいぶ治療法や世間の認知度があがってきました。

      やはり諦めずに向き合えば、くぼとちおさんのようにうつ病に感謝できるようになるのですね。
      私はまだ寛解には至っていませんが、少しでもその域にたどり着けるようにしたいです。

      ぜひ、また遊びにきてください。