うつ病の治療中は、1日の中で“自分の心の声”と向き合う時間が増えます。
けれど、そこで得た気づきや知識が、ただ頭の中に散らばったままになっていませんか?
うつ病を経験した私が、闘病で得た知識を「自分を守るお守り」に変えるために取得した「メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種(セルフケアコース)」について、体験談を交えながらやさしく解説します。
資格を取ることがゴールではありません。
この学びが、あなたの心を少しでも軽くし、自信を持って前に進むための、心強いきっかけになるはずです。
【結論】うつ病経験者の私が、あなたに検定Ⅲ種をおすすめする3つの理由
なぜ、うつ病の回復期(症状が安定し、少しずつ活動できるようになる時期)や再発予防期(社会復帰を目指したり、働きながら治療を続ける時期)にあるあなたに、検定Ⅲ種の学びが特におすすめなのか。
私が実際に取得して感じた理由は、大きく3つあります。
1. 闘病で得た知識が「体系的なお守り」になるから
うつ病について学んだ知識は、あなたにとってかけがえのない財産です。
しかし、それらの知識は断片的になりがち。
この検定の勉強を通して、ストレスの原因や対処法、心と体の関係性などを体系的に学び直すことができるんです。
バラバラだった知識がつながり、「自分を守るための確かな知識」として整理されることで、いざという時にあなたを支えてくれる心強い「お守り」になります。
2. 具体的なセルフケア方法が学べ、再発防止につながるから
検定Ⅲ種(セルフケアコース)は、その名の通り「自分自身で心の健康を保つ方法」を学ぶことに特化しています。
ストレスにどう気づき、どう対処すればいいのか、具体的な方法を学びます。
「調子が悪くなる前に、こうやって対処しよう」という具体的な引き出しが増えるので、うつ病の再発防止に直接役立つスキルが身につきます。
3. 「合格」という成功体験が、自信を取り戻すきっかけになるから
うつ病の治療中は、どうしても自信を失いがちです。
そんな中で、「勉強して試験に合格する」という経験は、想像以上に大きな意味を持ちます。
「私にもできた」という小さな成功体験が、失いかけていた自信を少し取り戻すきっかけになります。
合格率も比較的高く、独学でも十分に目指せるので、新しい一歩として最適です。
私も、あなたが今感じているように「せっかく身につけた知識を、何か形に残したい」という思いから受験を決意しました。
「“もう少し自分のことを理解できるようになりたい”」——そんな気持ちが、背中を押してくれたんです。
目標はカウンセラーになることではなく、あくまで「自分の心をマネジメントできるようになる」こと。
その目的に、このⅢ種はまさにぴったりでした。
バラバラだった知識が一本の線でつながっていく感覚は、とても心強く、学習そのものが自分のケアになっていると感じました。
メンタルヘルス・マネジメント検定ってどんな資格?
ここでは、検定の基本的な情報について、分かりやすく整理してお伝えします。
3つのコースの違いと選び方
メンタルヘルス・マネジメント検定は、対象者別に3つのコースに分かれています。
それぞれの違いを下の表で確認してみましょう。
| 種類 | 対象者 | 目的 | 学ぶ内容 | 
|---|---|---|---|
| Ⅰ種 (マスターコース)  | 人事労務管理スタッフ 経営幹部の方  | 社内のメンタルヘルス対策の推進 | 企業経営におけるメンタルヘルス対策の知識 | 
| Ⅱ種 (ラインケアコース)  | 管理職 (部下を持つ方)  | 部下のメンタルヘルス対策の推進 | 上司として部下をケアする方法、職場環境改善 | 
| Ⅲ種 (セルフケアコース)  | すべての方 (一般社員など)  | 自分自身のメンタルヘルス対策の推進 | 自分自身のストレスケア、不調への気づき方 | 

なので、迷わずⅢ種を選びました。
合格率と難易度は?(2025年版)
各種別の合格率は、以下のようになっています。
Ⅲ種は比較的合格しやすく、チャレンジしやすいのが特徴です。
- Ⅰ種(マスターコース):20.9%
 - Ⅱ種(ラインケアコース):60.5%
 - Ⅲ種(セルフケアコース):74.3%
 
Ⅲ種は合格率が高く、きちんと対策すれば独学でも十分に合格を狙える難易度です。
無理なく合格!Ⅲ種を独学で進める3ステップ勉強法【体験談】
「勉強なんて久しぶり…」「集中力が続くか不安…」と感じる方も大丈夫。
1日15分からでも始められる、無理のない学習ステップを紹介します。
- ステップ1まず「分かりやすい解説本」で全体像をつかむ
いきなり分厚い公式テキストを読むと、挫折しやすくなります。
まずは図やイラストが多く、要点がまとまった市販の解説本を読んで、「どんなことを学ぶのか」という全体像をふんわりと掴みましょう。
1日15分、1章ずつ読むなど、小さな目標を立てるのがおすすめです。
まずは2~3週間かけて1周することを目指しましょう。 - ステップ2「過去問題集」を解いて出題傾向に慣れる
解説本を1周したら、過去問題集に挑戦します。
最初は解けなくても全く問題ありません。「こんな風に問題が出るんだな」と傾向を掴むのが目的です。
間違えた問題の解説を読み、解説本に戻って復習する、というサイクルを繰り返すことで、知識が定着していきます。
最低でも過去3回分を解くと、頻出ポイントが見えてきますよ。 - ステップ3「公式テキスト」は辞書代わりに使う
過去問で分からなかった部分や、より深く知りたい部分が出てきたら、公式テキストの出番です。
すべてを読み込む必要はなく、必要な箇所だけを参照する「辞書」のように使いましょう。
試験問題は公式テキストから出題されるので、手元にあると安心感が違います。 
【2025年版】これでOK!おすすめテキスト&問題集
私が実際に使って「分かりやすかった!」と感じた教材を紹介します。
【解説本】まずはこの1冊から
私がメインで使ったのが、見波利幸さんが書かれているこちらの解説本です。
とにかく図解が多く、文章も平易で読みやすいのが特徴。「なぜこれを知る必要があるのか」という背景から説明してくれるので、内容がすっと頭に入ってきます。
【過去問題集】合格への最短ルート
資格試験の王道ですが、過去問を繰り返し解くことが合格への一番の近道です。
全く同じ問題が出題されることも珍しくありません。
最新年度版を1冊用意して、繰り返し解きましょう。
【公式テキスト】買うべきか迷うあなたへ
解説本と過去問題集だけでも合格は可能ですが、私は公式テキストも購入しました。
理由は2つあります。
特に2つ目の理由が大きく、試験対策本は合格したら見返しませんが、公式テキストは今でも心の調子が悪い時に読み返す「お守り」になっています。
よくある質問(FAQ)
勉強する気力や集中力が続きません…
とてもよく分かります。しかし、無理は禁物です。
「1日5分だけ目次を眺める」「疲れたらすぐやめる」など、ハードルを極限まで下げてみてください。
勉強すること自体がストレスになっては本末転倒です。
体調が良い時に少し進める、というペースを大切にしてくださいね。
履歴書に書けますか?転職に有利になりますか?
はい、履歴書に書ける正式な資格です。
ただし、Ⅲ種だけで転職が直接有利になるケースは少ないかもしれません。
しかし、面接などでセルフケア能力やストレス耐性をアピールする際の、客観的な根拠として役立ちます。
受験費用や申し込み方法は?
Ⅲ種の受験料は5,280円(税込)です(2025年時点)。
申し込みは、大阪商工会議所の公式サイトからインターネット経由で行えます。年に2回(例年3月と11月)実施されますので、公式サイトで最新の日程を確認してみてください。
Ⅲ種だけでなく、Ⅱ種(ラインケア)も取ったほうがいい?
もしあなたが管理職の立場にいたり、今後誰かの相談に乗る役割を担いたいと考えているなら、Ⅱ種の取得も非常に有益です。
ただし、まずはご自身のケアが最優先。最初にⅢ種でセルフケアの土台を固めてから、次のステップとしてⅡ種を検討するのがおすすめです。
まとめ:資格取得はゴールじゃない。自分を大切にするための、新しい一歩
この記事では、うつ病を経験した私がメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種をおすすめする理由と、具体的な勉強法について解説しました。
- うつ病経験者にとって、検定は知識を「自信」に変えるきっかけになる
 - Ⅲ種は「自分を守るスキル」を体系的に学べる
 - 独学でも無理なく合格可能!まずは簡単な解説本から始めよう
 - 合格という成功体験が、次の一歩を踏み出す力になる
 
大切なことなので繰り返しますが、この資格は、取得すること自体が目的ではありません。
学ぶ過程で自分と向き合い、自分を大切にする方法を知り、そして「私にもできる」という自信を少しでも取り戻すこと。
それこそが、一番の価値だと私は信じています。
あなたのペースで、新しい一歩を踏み出してみてください。応援しています。


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