「また、薬を飲み忘れた…」
あの心が沈むような感覚、痛いほどわかります。
でも、うつ病の治療中に薬を飲み忘れてしまうのは、決してあなたの意志が弱いからではありません。
この記事では、あくまで私個人の体験として、飲み忘れによる罪悪感から心を守る方法と、私が実際に試して「これなら続けられた」と感じた「頑張らない」工夫を、体験談と共にお伝えします。
うつ病で薬を飲み忘れてしまう主な理由3つ
薬の飲み忘れが起こる背景には、うつ病の症状そのものが深く関係しています。
理由1:脳の霧(ブレインフォグ)で記憶が抜け落ちやすい
うつ病の症状「ブレインフォグ」により、頭にモヤがかかったように記憶が曖昧になりがちです。
「飲まなくちゃ」と思っていても、ふとした瞬間にその記憶が抜け落ちてしまうのです。
理由2:気力の低下で「飲む」という動作が負担になる
気力が著しく低下するのも、うつ病のつらい症状。
健康な時には簡単な「薬を飲む」という一連の動作が、とてつもなく高い壁のように感じられることがあります。
理由3:生活リズムの乱れで飲むタイミングを逃しやすい
食事や睡眠の時間が不規則になると、「食後に飲む」といった習慣が崩れがちです。
これにより薬を飲むタイミングもずれ込み、結果的に忘れる原因になります。
飲み忘れた時の罪悪感を軽くする3つの言葉
飲み忘れ対策の工夫を知る前に、もっと大切なことがあります。
それは、忘れてしまった自分を責めずに、あなたの心を守ることです。
言葉1:「完璧じゃなくて大丈夫」
真面目な人ほど「毎日きちんと飲まなければ」と自分を追い詰めてしまいます。
でも、1回や2回の飲み忘れで治療が振り出しに戻るわけではありません。
大切なのは、また次のタイミングから再開すること。
「まあ、そんな日もあるさ」と、少しだけ自分を許してあげてください。
言葉2:「これは症状のせい。私のせいじゃない」
飲み忘れを、自分の性格や能力の問題と切り離して考えてみましょう。
「自分」と「症状」を別物と捉えるだけで、自己嫌悪の沼から抜け出しやすくなります。
言葉3:「忘れた自分を“観察”してみよう」
自分を責める代わりに、「どうして忘れちゃったかな?」と優しく観察してみてください。
「ああ、疲れてたんだな」と原因に気づけると、責める気持ちが和らぎ、次のヒントにもなります。
【体験談】私が本当に続けられた「頑張らない」飲み忘れ防止策
ここからは、私が実際に試してみて「これなら無理なく続けられた」という、ハードルの低い方法を「あくまで私のケース」として紹介します。
ステップ1:環境の“仕組み化”で乗り切る
工夫1:とにかく目につく場所に置く
一番シンプルで、私には効果的でした。
毎朝必ず使うスマホの横や、食卓の上など、あなたの生活動線の中で「絶対に目に入る場所」に置いてみてください。
工夫2:自分に合ったピルケースを使う
まずは100円ショップのもので十分です。
曜日ごと、朝昼晩ごとなど、自分の服薬スタイルに合うものを選びましょう。

私は1週間分を管理するのがプレッシャーだったので、寝る前に翌日分だけを小さなケースに入れる方法が合っていました。
工夫3:薬局で“一包化”をお願いする
複数の薬を飲んでいる場合、薬局でお願いすると1回分ずつ袋にまとめてもらう「一包化」ができます(※医師の許可が必要です)。
袋に日付や飲むタイミングも印字してもらえるので、「あれ、これ飲んだっけ?」という迷いがなくなります。

ステップ2:いつもの“習慣”とセットにする
工夫4:行動と紐づける
「薬を飲む」という新しい習慣を作るのではなく、「歯磨き」や「朝の水分補給」など、既にある習慣とセットにする方法です。
工夫5:スマホのリマインダーを活用する
特別なアプリでなくても、スマホ標準のリマインダー機能が私の良い相棒でした。
通知文を「お薬の時間!」ではなく「大丈夫、焦らないでね」のように、自分を励ます言葉に設定するのが続けるコツでした。
ステップ3:周りの“力”を上手に借りる
工夫6:家族やパートナーへの上手な頼み方
もし信頼できる人がいるなら、「忘れてたら優しく声をかけてくれると嬉しいな」と、サポートをお願いする形で伝えてみましょう。「監視」ではなく「応援」の形が、お互いに心地よいと私は感じました。
よくある質問(FAQ)
飲み忘れたことに気づいたら、どうすればいい?
薬によって対応が異なるため、自己判断で服用せず、まずは医師か薬剤師に連絡して指示を仰いでください。
副作用がつらくて薬を飲みたくありません…
そのお気持ち、よくわかります。自己判断で中断せず、まずは正直にその気持ちを医師に伝えて相談することが大切です。
まとめ
薬の飲み忘れで自分を責める必要は、まったくありません。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、あなただけの“優しいルール”を見つけることです。
忘れてしまった日は、「また明日からでいいや」と軽く受け流してみてください。
この記事が、あなたの罪悪感を少しでも軽くするお守りになれば、これ以上嬉しいことはありません。




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